新潟県公立高入試・数学の出題傾向と対策を説明していきます。
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過去5年間の新潟県公立高入試・数学の平均点は以下の通り。
今年度の平均点は昨年度と同程度。ただし、問題の形式・難易度共に、昨年度までと大きく変わっているので、絶対的な学力としてはどうかという懸念は残ります。
来年度も今年度とほぼ同じレベルの問題が予想されます。
大問ごとの平均正答率は、その中の小問単位での正答率の平均を示します。
大問[3]〜[5]の昨年との正答率の変化は、大問の番号ではなく各単元ごとの正答率で比較しています。
- [1] 数と式(正答率79.4% 昨年度+0.3%)
- 基本的な計算問題。一部、小学校高学年の学習内容も入っています。
- [2] 複合問題(正答率41.1% 昨年度+2.5%)
- 方程式・確率・関数・図形の各分野から、基本的な問題がそれぞれ1問ずつ出題されています。
- [3] 動点と関数に関する問題(正答率44.2% 昨年度+14.4%)
- 2点の動きに対応した三角形の面積の変化を関数として捉える問題が出題されました。
- [4] 規則性(正答率20.7% 昨年度-28.4%)
- 正方形のタイルを長方形の枠の中にある規則に従って並べ、タイルの個数などの変化について考察する問題が出題されました。
- [5] 平面図形(正答率9.4% 昨年度-3.1%)
- 図形の証明問題と計量問題が出題されました。
- [6] 空間図形(正答率25.3% 昨年度+14.9%)
- 立体の展開図における角の大きさや線分の長さ、立体の体積を求める、図形の計量問題が出題されました。
平均点は依然として5教科で最も低く、図形が関係する問題の正答率の低さが、昨年度に増して際立っています。
| 出題内容 | 年度(年号は平成) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 19年 | |||
| 数と式 | 数の性質 | ○ | ○ | ||||
| 数・式の計算 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 因数分解 | ○ | ○ | |||||
| 平方根 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 方程式など | 一次方程式 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 二次方程式 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 不等式 | |||||||
| 方程式・不等式の応用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 関数 | 一次関数 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| 二乗に比例する関数 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 比例関数 | ○ | ○ | |||||
| 関数とグラフ | ○ | ○ | ○ | ||||
| グラフの作成 | ○ | ○ | |||||
| 図形 | 平面図形 | 角度 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| 合同・相似 | ○ | ○ | ○ | ||||
| 三平方の定理 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 円の性質 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 空間図形 | 合同・相似 | ||||||
| 三平方の定理 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 切断 | |||||||
| 計量 | 長さ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| 面積 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 体積 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 証明 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 作図 | ○ | ○ | |||||
| 動点 | ○ | ○ | ○ | ||||
| 統計 | 場合の数 | ○ | |||||
| 確率 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 統計・標本調査 | |||||||
| 融合問題 | 図形と関数・グラフ | ○ | ○ | ○ | |||
| 図形と確率 | |||||||
| 関数・グラフと確率 | |||||||
| その他 | ○ | ||||||
| その他 | ○ | ○ | ○ | ||||
大問数は昨年度から6つになりました。来年度も6つになると思われます。
- [1] 数と式
- 小問ごとに独立した問題構成になっており、小問の数は8つで間違いないでしょう。
正負の計算・平方根の計算・文字式の展開・因数分解・方程式・方程式の中から出題されると思われます。数量を文字式で表す文章題が出ることもあります。また、小数や分数の計算など、小学校高学年の内容が出題されることも十分考えられます。 - [2] 各分野の基礎問題
- 小問数は3つか4つ。大問数を6つとすれば、ここでの小問数は4つになるでしょう。
ここでは2〜3行程度の文章題が中心で、方程式・確率・関数・平面図形などの中から基礎的な問題が出題されると思われます。図形の場合、角度を求めさせるか、作図のいずれかが出題されるでしょう。 - [3][4][5] 特定分野の応用問題
- ここから先は、大問ごとに共通の条件が与えられ、小問はそれに対する問い、という構成になってくると思われます。順番は不明ですが、平面図形→関数→規則性というパターンが最近の傾向のようです。
平面図形では、証明と、図形の計量の問題が出題されるでしょう。
関数では、2乗に比例する関数を中心にして、グラフと平面図形の計量の融合問題として出題されるか、動点から形成される図形の計量として出題されるか、いずれにしても1次関数とのセットになることは間違いありません。
規則性に関する問題の場合、数か図形を規則的に並べた時に、何番目の個数が何個になるか、といった問題形式になることが多いです。 - [6] 空間図形
- 問題構成は[3]〜[5]と同じ。新潟県の場合、最終問題は空間図形に関する問題になることが圧倒的に多いです。過去の例を見ても、いずれ劣らぬ難問揃いです。
仮に大問数が7つに戻されたとしても、このパターンを大筋で踏襲すると思われます。
ここでは、分野・単元ごとの入試対策を説明していきます。
推定ではありますが、新潟県の数学の場合、証明問題以外の小問の配点は似通っています。100点満点の場合、証明問題が8点、それ以外の小問が4点、難易度の高い問題でも5点という配点が予想されます。
新潟県の場合、大問[3]以降で難易度の高い問題が続々と出題されます。それでも最後の小問以外はサービス問題ということも多いので、問題文を理解し、かつ取りこぼしさえしなければ、大袈裟でなく8割は取れるようにできているのです。 ……とはいえ、問題文を理解する、取りこぼしをしない、という部分で大半の生徒が苦しみ、その結果として平均点がなかなか5割を超えない、というのが実情でしょう。
大問[3]以降の問題文を理解するコツとしては、一文を読むごとに、一緒に記されている図との照合を図り、数値や記号を図に直接書き込んでみること。
更に、大問[3]以降は総合的な理解が求められるので、苦手な単元を残しておくと、あと一歩のところで解けない、という事態になりかねません。
基本問題を取りこぼさないコツについては、次項で説明します。
数と式前述の通り、表のページの大問[1]のような基本的な計算問題は、貴重な得点源です。今年度のように小問が8問あれば、配点が32点にもなるから馬鹿にできません。
ここでしっかり点数を取るためには、当然ですが、いわゆるケアレスミス、すなわち単純な計算ミスをしないこと。そのためには、やはり普段からそういう心がけをもって計算練習にとりかかることが大事です。重要な心がけは以下の2つ。
- 途中式は省略しないこと。一度書いた途中式も消さずに残すこと。途中式では本来書かない筆算は、隅っこにメモ書き程度でいいから残しておく。
- 見直しを忘れないこと。数学の場合は「検算」といい、たとえば方程式なら求めた値を元の式に代入して、それが正しいことを確かめてみる。
この2つはセットで考えること。どちらか一方が欠けてもだめです。 途中式を忘れると見直しに時間がかかるし、見直しがないと途中式を書いても間違いに気づかない確率が高くなるからです。
各分野の基礎問題大問[2]も[1]同様に基礎的な問題が多いですが、前述の心がけが更に重要な、というより不可欠な意味を持ってきます。というのは、実際の解答用紙の[2]以降には、解答欄の前に「求め方」を書かせる欄があるからです。
すなわち、正解でも求め方をしっかり書かかないと、減点されるかもしれません。
逆に、不正解でも求め方に書いた考え方が大筋で合っていれば、部分点はもらえるかもしれません。
数学に限らず、本番の入試はどの模試よりも採点方法が細かいので、こうしたことは十分に考えられます。
実際の大問[2]では、以下の単元が出題対象となりえます。
- ●方程式の文章題
- 過去5年間の入試では、大問[2]の小問(1)はこの形式で固定されています。
xのみを使った(1元)1次方程式、xとyを使った(2元1次)連立方程式、どちらでも解けますが、文章題の形式により使い分けができればなおよいでしょう。
どちらの場合も、一番求めたい数をxかyと置き、文章内の他の数をそれらの文字式で表すことができるように、問題に慣れることが肝心です。 - ●確率
- 来年度に出題されるかどうかは微妙。
対策自体は難しくありません。樹形図をしっかり書けるようにすることが、一番間違いのない対策です。
確率ではなく、「このパターンは何通りあるか」といった「場合の数」が出ても、この対策がそのまま利用できます。 - ●関数
- ここで出題されるのは、主に係数を求めさせる形式。2つの関数の一方をy=ax2、またはy=x+aのような形にして、aを求めさせる、という形式が大半です。これも、来年度に出題されるかどうかは微妙。
他分野との融合はないので、類題も問題集に数多く存在することでしょう。それらを活用し、関数やグラフの基本的な性質をしっかり理解しておくことが肝心です。 - ●平面図形・作図問題
- 作図問題対策として、まずは当然ですが、定規とコンパスは忘れずに用意しておくこと。フリーハンドでどれだけ正確に線分や円弧を描いたところで、点数はもらえません。ですから定規とコンパスを忘れた人は、4点(推定)のハンデを覚悟しなければならないことになります。
三角定規や分度器は、作図問題ではルール違反なので、必要ありません。
多少ひねったものもありますが、基本的には垂線・角の二等分線・垂直二等分線の3種類がしっかり描ければ、高校入試で出題される全ての作図問題に対応できるはずです。
最後に、これは問題文にも明記されているはずですが、作図に書いた線は原則として残しておくこと。採点する側は、それを材料に判断するのですから。 - ●平面図形・角度
- 作図問題が出題されない場合は、平面図形のある角度を求めさせる問題が出題されるでしょう。
三角形の性質の他、平行線と角の関係、円周角の定理などを理解している必要があります。これも、類題を数多く解くことで対応できるはずです。
平面図形を題材にして、証明問題や長さか面積の計量が出題されるでしょう。
- ●証明問題
- 数学では唯一といってよい、記述式の問題。それだけに配点も大きいです。
三角形の合同条件や相似条件、特殊な三角形や四角形の性質といった基本事項さえ押さえていれば、問題自体はそれほど難しくありません。
記述が少々面倒なせいか、敬遠する人も少なくない証明問題。しかし、この記述は計算問題と違って近道はないので(というより、許されない)、模範解答などを参考にしながら、理論的に記述する方法をマスターしておきましょう。
なお、採点対象となるのは「全体の流れができており、結論が書かれているもの」。すなわち、結論が書かれていない解答は全て0点です。書き始めたら、必ず結論まで書くこと。 - ●計量
- 図形に含まれる面積か線分の長さを求めさせる問題。線分同士、面積同士の比を求めさせる問題も出題されるかもしれません。
ここでは主に、方程式を立てられるかどうかが、問題攻略の鍵となります。三平方の定理も使わないと解けない問題もあるので、総合的な理解が求められるでしょう。
2乗に比例する関数を中心とした構成で、グラフか動点に関する問題が考えられます。どちらも平面図形の要素を含んでいて、難易度の高い問題が予想されます。
グラフが題材の場合、1次関数との融合になるケースが多く、平面図形の面積に関する問題との兼ね合いは間違いないでしょう。
グラフを関数としてだけでなく、座標上の図形と見ることができるかどうかが試されます。中1の教科書から読み返してでも、理解を確実なものにしておきましょう。
動点(線の場合もある)が題材の場合、グラフ表示がないために、そのままでは変化の割合がつかみにくいでしょう。
そんな時は、たとえ設問になくとも、自分で実際に座標軸とグラフを書いてみるのが有効です。それも、なるべく正確な図を描くクセをつけることです。
一定の規則に従って数が増える時、その規則性を問う問題。新潟県の入試では定番となりつつあります。
類題は少ないですが、教科書では中1の「文字式」に分類されるようです。
たとえ設問になくとも、n番目の数をnを使った式でどう表すかという問いに答えられることが、問題攻略の糸口となります。
練習問題はこちらをご参照ください。
小学生の問題と侮るなかれ。規則性に関して言えば、文字式こそありませんが、大人でもじっくり考えないと解けない問題が揃っています。
三平方の定理の応用問題で、線分の長さ・平面(主に断面)の面積・立体の体積などを求めさせることが多いです。例年難問揃いで、最終問題の正答率が1%を切ることは珍しくありません。
ただし今年度は、最終問題こそ難問だったものの、他2問は正答率が高かったため、大問全体の正答率を引き上げています。
まず認識しなければならないのは、立体を平面に正確に描くのは不可能だという事実。問題用紙に描かれている図はあくまで主観的な目安であり、本当に正確なのは問題文に記されている条件の方です。
それらを元に、自分の頭の中に正確なイメージを描けるかどうかが、問題が解けるかどうかの分かれ目になります。
正確に描くなら断面図か展開図などの平面図。当然ながら、辺や頂点などの角度や位置関係などがわからないと、正確な図は描けません。中1の教科書の「空間図形」を読み直すなどして、面・線分・点などの位置関係が把握できるようにしておきましょう。
それともう1つ。
新潟県の数学は、計算が面倒なことで知られていますが、特に空間図形はその傾向が強いです。その結果として、何分の何ルート何とかいった数がよく答えになります。
従って、
とか
といった変な数が答えになっても、驚かないこと。
もちろん、確認作業は必要でしょうが。
冒頭にも申し上げた通り、空間図形は難問揃いです。本番の入試では無理に解こうと構えず、既に解いた他の問題の見直しを一通りやって、時間が余ったら取り掛かるのがよいでしょう。





